起業する際の選択肢として「個人事業主として開業」「法人を設立」という比較がよくあります。
合同会社と個人事業の両方を運営中の経験から、両者の違いについて「事務処理の負担」に着目して比較します。
ひと言でいうと、
「ひとつひとつは大したことはないけれども、忘れたころに期限が来てしまい、いつもあわただしくなってしまう」
という感じです。
この記事は次のような人におすすめの内容です。
- マイクロ法人の事務処理について知りたい
- マイクロ法人の設立を検討している
- マイクロ法人について知りたい
起業する際の選択肢
起業する際の選択肢としてよく見かけるのはこのようなものだと思います。
- 個人事業主として開業する
- 法人を設立する
- 個人事業主ではじめて法人化する
個人事業主
起業する際はとりあえず個人事業主として開業する方が多いと思います。
- 開業の手続きが簡単
- 開業の費用がかからない
- 廃業の手続きが簡単
始めるのも終わらせるのも比較的簡単な手続きとなります。
法人を設立する
事業の規模、内容などによっては法人を設立した方がよいケースもあります。
- 社会的信用が高い
- 金融機関から融資が受けやすい
- 求人の際に人が集まりやすい
個人事業主ではじめて法人化する
個人事業主ではじめてから法人化を検討するというケースも多いと思います。
法人化を検討する条件としてよくあるのはこのような内容です。
- 個人事業の利益が700万円を超えている
- 個人事業の売上高が1000万円を超えている
- 事業の規模を拡大したい
- 社会的信用が高めたい
個人事業主ではじめて、別に新規の法人を設立する
上の選択肢にはありませんでしたが、私の場合は結果的にこのケースとなりました。
売上や利益については、上にあるような法人化を検討する金額には届かないので、初めは法人化もするつもりはありませんでしたが、
「法人の運営とはどのようなものなのか?」
という疑問はいつも持っていました。
そして、個人事業の開始から2年後には合同会社を設立することになりました。
主な理由としては以下のようなところです。
- 単純に自分で法人を設立してみたい
- 法人を自分で運営してみたい
- 個人事業主との違いを経験してみたい
とりあえず自分で経験してみたいという気持ちが強く、数年したら解散しようというくらいの考えでした。
個人事業と合同会社の運営を経験してみて思うこと
2021年現在でも個人事業(8年目)と合同会社(6年目)の運営は続けています。
合同会社の方は昨年から売り上げもなく、赤字状態ですが。
約6年間、法人(合同会社)を運営してみて思うことは、やはり、法人は個人事業に比べて、
「手間と時間とお金がかかる」
ということでしょうか。
具体的にいうと
- 所得税徴収高計算書(1~6月分)の提出が必要(7月)
- 算定基礎届の提出が必要(7月)
- 給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の回収が必要(11月)
- 源泉徴収票の発行が必要(12月)
- 所得税徴収高計算書(7~12月分)の提出が必要(1月)
- 給与支払報告書の提出が必要(1月)
- 給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表の提出が必要(1月)
- 法人の決算、確定申告は個人事業に比べて複雑
- 法人住民税として年間最低7万円かかる
というところです。
事務処理については期間が10日間くらいのものが多く、その期間が別業務で忙しいと、結構あわただしくなってしまいます。
たまに「気が付いた時にはすでに期日が過ぎていた」というときもあります。
まとめ
法人は個人事業に比べて、「手間と時間とお金がかかる」ということになります(デメリット)。
今回は割愛していますが、もちろん法人としての特徴もあります(税金、社会保険、経費などの違いによるメリット)。
これらのメリット、デメリットをふまえた選択は専門家でも難しく、意見が分かれることもあるような話を聞いたことがあります。
私の場合は、「法人の運営を自分で経験してみたい」という気持ちから始まった選択なので、これらの経験もある意味「成功体験」としてとらえています。
サラリーマンとして働いていると会社の仕組みが分かっているようで分かっていないことも多いと思います。
あまりいないかもしれませんが、興味のある人にとっては、法人を自分で設立、運営して実際に経験してみるということもおすすめだと思います。
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